地質学雑誌
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論説
ガラス包有物の主成分分析によるテフラ識別の試み
-大山テフラDKP,DSP,DNPの識別を例として-
古澤 明
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2008 年 114 巻 12 号 p. 618-631

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抄録
テフラの対比に斑晶中のガラス包有物の主成分化学組成を用いる手法はこれまで試みられていない.大山火山起源のDKP,DSP,DNP降下軽石は,岩相,鉱物組み合せおよび斜方輝石,角閃石の屈折率が近似しており,風化して火山ガラスが残存していないことが多いため,明確な対比に課題が残されていた.そこでこれらのテフラについて,斜長石斑晶中のガラス包有物の主成分化学組成を比較し識別を試みた.はじめに粒径および斑晶の違いによるガラス包有物の主成分化学組成を比較し,1/16-1/8 mm粒径の斜長石において最も値がまとまることが明らかとなった.この粒径の斜長石のガラス包有物の主成分化学組成により,DKP,DSPおよびDNPはそれぞれ識別され,福井県旧織田町および長野県高野層でDKPとされたテフラは大山山麓のDKPと対比されることが確認できた.したがって,斜長石中のガラス包有物の主成分化学組成はテフラの対比に有効である.
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© 2008 日本地質学会
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