地質学雑誌
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日本地質学会第116年学術大会 2009年 岡山 見学旅行案内書
秋吉石灰岩から読み取る石炭・ペルム紀の古環境変動
-美祢市(旧秋芳町)秋吉台科学博物館創立50周年記念巡検-
佐野 弘好〓山 哲男長井 孝一上野 勝美中澤 努藤川 将之
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2009 年 115 巻 Supplement 号 p. S71-S88

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抄録

山口県西部秋吉台には,秋吉帯のペルム紀付加体を特徴づける秋吉石灰岩(下部石炭系~中部ペルム系)が広く分布する.秋吉石灰岩はパンサラッサ海大洋域に位置していた海山の頂部で堆積した浅海成石灰岩からなり,約8000万年間の気候・海水準変動を記録している.本見学旅行では,サンゴ礁相,ウーライト質石灰岩で示される石炭紀古世中期の温暖・高海水準環境,大型生物礁の衰退と離水堆積物で示される石炭紀新世後期における寒冷化と離水・古カルスト形成,干潟相および離水砂浜相で特徴づけられる堆積サイクルが示すペルム紀中世の短周期海水準変動などについて現地討論を行う.また本年で創立50周年を迎える美祢市立秋吉台科学博物館を訪れ,学術研究,自然保護に対する同館の貢献をふり返る.

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© 2009 日本地質学会
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