地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
Print ISSN : 0016-7630
ISSN-L : 0016-7630
論説
四国東部・徳島県牟岐町の四万十帯より新たに発見された後期白亜紀アンモナイト
辻野 泰之石田 啓祐和田 秀実平山 正則
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 116 巻 12 号 p. 680-685

詳細
抄録
徳島県牟岐町楠之浦地域に分布する四万十帯牟岐メランジュ下部セクションより,後期白亜紀アンモナイトを発見した.このアンモナイトは,ロシア・サハリン南部マカロフ地域のクラスノヤルカ層の岩相ユニットK2(マストリヒチアン階)から報告されたGaudryceras cf. tombetsenseに最も似ている.最近のジルコンU-Pb年代に関する研究に従うと,牟岐メランジュ下部セクションの年代は古第三紀初頭を示す.現時点では,楠之浦地域から発見された後期白亜紀アンモナイトは,古第三紀堆積物である牟岐メランジュ下部セクションの中に外来岩塊として含まれたと考えるのが妥当である.
著者関連情報
© 2010 日本地質学会
前の記事 次の記事
feedback
Top