地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
Print ISSN : 0016-7630
ISSN-L : 0016-7630
論説
丹沢トーナル岩体における石英中のマイクロクラックから推定された古応力場の変遷と伊豆弧の衝突
佐藤 隆恒高木 秀雄
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 116 巻 6 号 p. 309-320

詳細
抄録
丹沢トーナル岩体中の石英中のヒールドマイクロクラック(HC)およびシールドマイクロクラック(SC)の三次元方位分布ならびに流体包有物の形成条件の検討から,古応力方位とその変遷を推定した.HCおよびSCの全データの方位はNNE-SSW方向のσHmaxを示す.HCを構成する流体包有物のマイクロサーモメトリーから,丹沢周辺の地温勾配30~50℃/kmを考慮すると275~410℃,0.20~0.29 GPaの形成条件が推定され,K-Ar黒雲母年代の5~4 Ma頃にはHCは形成していた.丹沢トーナル岩体は1 Maの伊豆ブロックの衝突によって10℃の時計回りの回転を被っているため,マイクロクラック形成時にσHmaxはN-S方向であったと考えられる。丹沢トーナル岩体中の原位置応力測定でも同様のσHmaxが得られていることから,同地域の応力場は5~4 Ma以降,現在まで大きく変化していないと推察される.
著者関連情報
© 2010 日本地質学会
前の記事 次の記事
feedback
Top