地質学雑誌
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論説
日立地域の鮮新統久米層基底礫岩の礫から産出したペルム紀腕足類レプトダス・ノビリス
田沢 純一菊池 芳文二階堂 章信藤井 節男
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2018 年 124 巻 11 号 p. 913-918

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抄録

日立地域の鮮新統久米層基底礫岩の礫から報告されたペルム紀腕足類フォーナ(石名坂フォーナ)に新たにレプトダス・ノビリスが追加され,合計17属18種となった.石名坂フォーナは中期ペルム紀(ワード期)のボレアル型-テチス型混合腕足類フォーナで,東北日本(南部北上帯),ロシア東部(プリモリエ南部),中国北部(内蒙古)のフォーナと種構成が似ており,古生物地理学的にこれらと近縁なフォーナである.日立地域は南部北上地域と共に,中期ペルム紀には北中国(中朝地塊)東縁の大陸棚の一部であったと推定される.また,日立古生層のうちとくに鮎川層は南部北上帯のペルム系の延長部で,地体構造的には南部北上帯に属すると考えられる.

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© 2018 日本地質学会
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