地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
Print ISSN : 0016-7630
ISSN-L : 0016-7630
巡検案内書:第126年学術大会(2019山口大会)
津和野地域の古原生代花崗岩類と高塩濃度深部流体
木村 光佑 早坂 康隆田中 和広村上 裕晃
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 125 巻 8 号 p. 595-607

詳細
抄録

島根県南西端の津和野地域は山口市から北東へ42kmほど離れた所に位置している.本見学コースでは,最近,津和野地域の舞鶴帯北縁部に発見された2.5~1.85Gaの古原生代花崗岩類を主とする古期複合岩体と,同地域に湧出する特異な高Cl濃度の深部流体を観察する.両者は,地質学的に全く異なる対象であるため,本案内書では独立した章として分けて記載し,古期岩体は木村と早坂が,深部流体は田中と村上が担当する.とは言え,この深部流体の複数の湧出地点は古期岩体が分布する舞鶴帯北縁部と,その北に結晶片岩を薄く挟んで接するジュラ紀付加体鹿足コンプレックスとの境界に配列しており,舞鶴帯北縁部の断層帯との関係が注目される.津和野町はまた,日本地質学の父と称される小藤文次郎生誕の地でもあり,この機会に生誕の地記念碑と津和野町郷土館の見学を行う.

著者関連情報
© 2019 日本地質学会
前の記事 次の記事
feedback
Top