地質学雑誌
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125 巻, 8 号
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巡検案内書:第126年学術大会(2019山口大会)
  • 2019 年 125 巻 8 号 p. 573-574
    発行日: 2019/08/15
    公開日: 2019/12/27
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  • 千々和 一豊, 播磨 雄太, 岡藤 考
    2019 年 125 巻 8 号 p. 575-584
    発行日: 2019/08/15
    公開日: 2019/12/27
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    山口県美祢市に広がる秋吉台は,日本最大のカルスト台地であり,台地の地下に発達する秋芳洞とともに国の特別天然記念物に指定されている.現在,美祢市には石灰石鉱山が数社あって,豊富な資源量を有する石灰石が大規模に採石されている.一方,嘗て周防灘に向かって広がる宇部海底炭田の中心都市として発展した歴史をもつ宇部市には,国内最大級の貯炭能力を有する沖の山コールセンターが立地し,海外から輸入される石炭の中継基地としてコールチェーンの一翼を担っている.

  • 前田 晴良, 大山 望
    2019 年 125 巻 8 号 p. 585-594
    発行日: 2019/08/15
    公開日: 2019/12/27
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    山口県には,上部三畳系から白亜系までのさまざまな環境で堆積した中生界が分布し,それぞれから特徴的な化石群を産出する.上部三畳系カーニアン階に対比される美祢層群は,海成相と非海成相の繰り返しよりなり,非海成相の桃ノ木層中には豊富な植物化石群や日本最古の昆虫化石群が含まれている.田部断層をまたいで南北に分布する中・下部ジュラ系・豊浦層群のうち,黒色葉理泥岩よりなる西中山層からは,プリンスバキアン階~トアルシアン階を特徴づけるアンモノイド化石群が産出する.本巡検では,まず美祢市歴史民俗資料館に保管されている美祢層群産化石コレクションを見学する.そして美祢市から下関市まで山口県西部を移動しながら山口県を代表する中生代化石産地である美祢層群と豊浦層群の岩相や化石の保存・産状を観察する.

  • 木村 光佑, 早坂 康隆, 田中 和広, 村上 裕晃
    2019 年 125 巻 8 号 p. 595-607
    発行日: 2019/08/15
    公開日: 2019/12/27
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    島根県南西端の津和野地域は山口市から北東へ42kmほど離れた所に位置している.本見学コースでは,最近,津和野地域の舞鶴帯北縁部に発見された2.5~1.85Gaの古原生代花崗岩類を主とする古期複合岩体と,同地域に湧出する特異な高Cl濃度の深部流体を観察する.両者は,地質学的に全く異なる対象であるため,本案内書では独立した章として分けて記載し,古期岩体は木村と早坂が,深部流体は田中と村上が担当する.とは言え,この深部流体の複数の湧出地点は古期岩体が分布する舞鶴帯北縁部と,その北に結晶片岩を薄く挟んで接するジュラ紀付加体鹿足コンプレックスとの境界に配列しており,舞鶴帯北縁部の断層帯との関係が注目される.津和野町はまた,日本地質学の父と称される小藤文次郎生誕の地でもあり,この機会に生誕の地記念碑と津和野町郷土館の見学を行う.

  • 藤川 将之, 中澤 努, 上野 勝美
    2019 年 125 巻 8 号 p. 609-631
    発行日: 2019/08/15
    公開日: 2019/12/27
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    山口県中西部に位置する美祢市には,日本最大級のカルスト台地として知られる秋吉台が分布する.秋吉台は前期石炭紀~中期ペルム紀にパンサラッサ海大洋域の海洋島頂部で形成された生物礁起源の秋吉石灰岩からなり,そこには約8000万年間の気候・海水準変動が記録されている.本巡検では,海洋島の基盤となった玄武岩,後期石炭紀の現地性礁石灰岩,前-中期ペルム紀のフズリナ化石層序に基づく地層の逆転構造,前期ペルム紀オンコイド石灰岩,前期ペルム紀干潟相堆積物を観察し,現地討論を行う.また,秋吉石灰岩の代表的な堆積相を理解するため,秋吉台科学博物館所蔵の大型研磨石板標本の観察を行う.あわせて秋吉台上および秋芳洞を自然地理学的な視点から観察し,カルスト化作用とその特徴について理解する.

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