地質学雑誌
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論説
北海道中央部,トムラウシ地域の日高帯分布域に新たに発見された下部中新統とそのテクトニックな意義
七山 太渡辺 真人山崎 徹岩野 英樹檀原 徹平田 岳史
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2020 年 126 巻 11 号 p. 605-620

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抄録

北海道中央部,トムラウシ地域の日高累層群中には,チカプペツ層と呼ばれる周囲の地層とは固結度の大きく異なる泥岩主体の地層の存在が知られていた.今回,チカプペツ層中の酸性凝灰岩とシイ十勝川層(新称)のタービダイト砂岩からジルコン粒子を分離し,ジルコンU-Pb年代を測定した結果,19.5±0.1Maと22.5±0.7Ma(前期中新世)を示す年代値が得られた.また,前者の石灰質ノジュール1試料から前期中新世を示す珪藻化石群集が得られたことから,その堆積年代は23-19Maと理解された.これまでも日高帯分布域には,後期漸新世の堆積年代を示す襟裳層や立牛層の挟在が明らかにされており,この時期に大規模な右横ずれ変位が開始されていたことが判明している.チカプペツ層やシイ十勝川層は,前期中新世に,同様の右横ずれ変位に伴って発生した海成層と考えられる.

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© 2020 日本地質学会
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