地質学雑誌
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論説
埼玉県加治丘陵に分布する下部更新統仏子層の層序と年代の再検討
納谷 友規 水野 清秀
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2020 年 126 巻 4 号 p. 183-204

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抄録

埼玉県加治丘陵に分布する下部更新統仏子層の層序の再検討を行った.広域対比可能なテフラを含む計27層のテフラ層を識別した.仏子層は構成する堆積サイクルの層相の特徴に基づき下位よりA~Eの5ユニットに区分される.岩相と珪藻化石群集に基づき,ユニットAとBに各3層準,ユニットDに2層準,計8層準の海成層(M1~M8)を識別した.広域テフラ対比と海成層対比に基づく層序解釈によれば,ユニットAは2.5~2.4Ma,ユニットBは2.4~2.2Ma,ユニットCは約1.8Ma前後,ユニットDは1.7~1.6Ma,ユニットEは1.6~1.4Maに堆積したと考えられる.ユニットBの阿須公園4テフラからM5海成層の区間に見られる陸成層と浅海成層の繰り返しは,MIS93~89の氷河性海水準変動に対応した堆積サイクルであると考えられる.

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© 2020 日本地質学会
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