2022 年 128 巻 1 号 p. 345-369
関東平野東端,千葉県銚子周辺地域の台地の基部には,鮮新-中部更新統の犬吠層群が露出する.犬吠層群は海成の泥岩を主体とし,多数のテフラを挟む.近年,犬吠層群中のテフラの広域対比や年代の高精度化が進み,関東平野周辺における鮮新世以降の古地理やテクトニクスが議論できるようになってきた.銚子ジオパークは,犬吠層群が約10 kmに渡って海沿いに露出する崖をジオサイトの目玉として,2012年に認定された.本巡検では,犬吠層群中の代表的な広域テフラを観察するとともに,犬吠層群のジオサイトとしての活用を紹介する.