地質学雑誌
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論説
古地磁気層序とテフラ層序に基づく房総半島南部の下部更新統千倉層群と同半島東部の上総層群の対比
小西 拓海宇都宮 正志岡田 誠田村 糸子
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2023 年 129 巻 1 号 p. 469-487

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抄録

本研究では下部更新統上総層群下部(前弧海盆堆積物)と千倉層群畑層(海溝陸側斜面堆積物)について古地磁気層序とテフラ層序に基づく時間面対比を行った.上総層群勝浦層最上部と大原層上部~黄和田層にFeni(Réunion)正磁極亜帯とOlduvai正磁極亜帯に相当する正磁極性がそれぞれ確認され,それ以外の層準でMatuyama逆磁極帯に相当する逆磁極性が確認された.千倉層群畑層のテフラ層Kmj-3,Kmj-10,Kmj-18,Kmj-29,Kmj-41,Kmj-53,Kmj-68,およびKmj-71が上総層群のテフラ層Kr31,KRm,KH2,IW2,OFN2,KB,HS C,およびHS Aにそれぞれ対比された.これらのテフラ対比は古地磁気層序と調和的であり,上総層群のテフラ層IW2はFeni正磁極亜帯内,HS CはOlduvai正磁極亜下部境界の直下,HS Aは同境界直上にそれぞれ位置することが示された.

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© 日本地質学会
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