地質学雑誌
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更新統下総層群上泉層にみられるギルバート型粗粒三角州
岡崎 浩子伊佐治 鎭司中里 裕臣
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2000 年 106 巻 7 号 p. 461-471

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抄録

更新統下総層群上泉層にはギルバート型粗粒三角州が認められる.この三角州前置層の大規模フォーセット層理ごとに, 内部堆積構造や古流向, 粒度組成や含まれる貝化石群集などの解析を行った.その結果, フォーセット層理の内部堆積構造に"バックセット層理"が含まれることが明らかになった.ここでは前置面での混濁流の流下によって形成された平行層理相と高流砂階のシュートとプールが前置面を上流側に移動することによって形成されたと考えられるバックセット層理相の繰り返しがみられる.この内部堆積構造とその組成(粒度や貝化石群集)には明瞭な相関が認められ, 組成からも形成過程の違いが特徴づけられる.このようなギルバート型粗粒型三角州の発達は調査地点が河口にやや深い水深があり, 粗粒な堆積物が安定して供給されるなどの古地理的条件を満たしていたためと考えられる.

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