地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
Print ISSN : 0016-7630
ISSN-L : 0016-7630
新潟県西頸城地域に分布する鮮新統の第3オーダー堆積シーケンスと堆積有機物組成
大村 亜希子
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 106 巻 8 号 p. 534-547

詳細
抄録
西頸城地域に分布する鮮新統において, 堆積相累重様式に基づいて設定した第3オーダー堆積シーケンスは, 陸棚斜面における粗粒な礫質チャネル-レヴィーシステム(低海水準期堆積体), 外側陸棚のコンデンスセクション(海進期堆積体), 陸棚環境における上方浅海化堆積相累重(高海水準期堆積体)で構成される.設定された第3オーダー堆積シーケンスと生痕化石・マセラル組成比の関連に注目すると, 生痕化石変化は海退に伴って多様性が増しそれぞれの大きさが大きくなる傾向にあり, マセラル組成比変化は海退に伴って陸源有機物の陸棚環境への流入量が増加する傾向にあることがわかった.さらに, この堆積シーケンスに示される海水準変動と生痕化石・マセラル組成比は, 汎世界的気候変動を示す酸素同位体比曲線と良い一致を示すことから, 西頸城地域に設定された第3オーダー堆積シーケンスは, 汎世界的海水準変動を反映していると考えられる.
著者関連情報
© 日本地質学会
前の記事 次の記事
feedback
Top