地質学雑誌
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関東山地南部, 三宝山帯の石灰岩ブロックから新たに見出されたペルム紀新世前葉(Wuchiapingian)の有孔虫化石群集
小林 文夫
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2001 年 107 巻 11 号 p. 701-705

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抄録

関東山地南部の三宝山帯を構成する, ジュラ紀新世後葉~白亜紀古世前葉の付加体(御前山層)の石灰岩ブロックから18属23種の有孔虫化石群集が見出された.Codonofusiella kueichowensis Sheng, Nanlingella cf. meridionaris Rui and Sheng, Nanlingella ? simplex(Sheng and Chang), Rubuloides gibbus Reichelなどの指標種が識別されることから, この群衆はペルム紀新世前葉(Wuchiapingian)と考えられる.フズリナ類はCodonofusiellaとNanlingellaだけであり, Reichelina, Staffella, Nankinellaなどは含まれていない.フズリナ類以外の有孔虫では, Robuloidesを除くと, Colaniella, Paraglobivalvulina, Dagmaritaのようなテーチス海域の上部ペルム系に特徴的で広域的に分布する諸属を欠いている.それゆえ, この有孔虫化石群集は石灰岩の堆積年代の決定に有効であるだけではなく, ペルム紀新世の有孔虫古生物地理など関連する諸課題を検討する際の基礎資料として重要である.

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