抄録
埼玉県川本町の植松橋付近の荒川河床に露出する中新世海成堆積物より珪藻化石を抽出した結果,珪藻化石を含有する試料は,すべてYanagisawa and Akiba(1998)のDenticulopsis lauta帯(NPD4A)下部の,Denticulopsis praelautaの終産出層準(D41 : 15.7Ma)とCavitatuss lanceolatusの初産出層準(D41.5 : 15.6Ma)の間に位置づけられることが明らかとなった.その結果,これまで土塩層最下部と考えられていたこのシルト岩層は土塩層には帰属せず,より下位の中部中新統下部に属することが判明した.