日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
原著
高齢者における末期癌患者の癌性疼痛への最大オピオイド使用量の検討
山下 和海, 鍋島 篤子, 原 祐一, 大河内 二郎
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2007 年 44 巻 3 号 p. 345-350

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抄録
目的 高齢者において癌性疼痛を有する末期癌患者での最大オピオイド使用量について若年者と比較検討した.方法 平成13年4月1日からの3年間における原土井病院緩和ケア病棟で癌性疼痛を有し死亡退院した152名(男性82名·女性70名)の入院記録からretrospectiveに調査を行った.目的変数としては最大オピオイド使用量(モルヒネ内服換算)を,説明変数としては,年齢·入院時体重·原発部位·鎮痛状態を用いた.結果 体重の判明している者64名では体重とオピオイド使用量には相関を認めなかった(順位相関係数r=0.077, P=0.56).オピオイド使用量に対するステップワイズ回帰分析では年齢,下部消化管原発が選択された.全ての対象者(152名)でのオピオイド使用量の平均値201.8mg·中央値90.0mgであった.65歳未満,65∼74歳,及び75歳以上の年代別における比較を行ったところ,65歳未満の群では平均値344.2mg·中央値180.0mg, 65∼74歳の群では平均値168.5mg·中央値82.5mg, 75歳以上の群では平均値116.9mg·中央値38.8mgであった.65∼74歳及び75歳以上の群では,65歳未満に対して有意に低値であった(K-W検定P<0.001).オピオイド使用量は年齢に逆相関を示した(順位相関係数r=-0.514, P<0.001).結論 65歳未満と65∼74歳,75歳以上のオピオイド使用量の比は1:1/2:1/3であった.高齢者ではオピオイド使用は少ない量で十分であり,高齢癌患者の診療において一つの目安となり得るものと考えられた.
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© 2007 一般社団法人 日本老年医学会
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