抄録
目的:アルツハイマー病(以下ADと略す)の脳代謝·血流パターンは発症年齢により変化することが報告されている.しかし,超高齢ADの脳代謝·血流パターンの検討はあまりされていないので,今回我々は脳血流SPECT(Single photon emission CT)を用いて検討した.方法:軽度∼中等度ADの各年齢群(若年群,老年群,超高齢群)の初診時脳血流SPECTをそれぞれの年齢にあわせた健常コントロール群と3D-SSP(three-dimensional stereotactic surface projection)を用いて比較解析し,超高齢ADの脳血流低下パターンを評価した.結果:群間比較において,若年AD,老年ADはコントロールに比し後部帯状回,楔前部,側頭頭頂葉での血流低下が高度にみられたのに対し,超高齢ADはコントロールに比し後部帯状回,楔前部,側頭頭頂葉での血流低下が若年AD,老年ADよりも比較的軽度で,前頭葉,内側側頭葉の血流低下を高度に認めた.結論:超高齢ADは若年ADや老年ADの脳血流低下パターンと異なり,若年AD,老年ADとは病理学的に若干異なる可能性が示唆された.さらに,超高齢ADと診断された症例の中には,神経原線維変化型老年認知症のようにADとは異なる疾患が存在する可能性も示唆された.