日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
第51回日本老年医学会学術集会記録〈パネルディスカッションIII:高齢者終末期における栄養を取り巻く諸問題〉
1.療養型病院における終末期の栄養のあり方
原 健二
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2009 年 46 巻 6 号 p. 511-513

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抄録
98年から今日まで継続している「高齢者の終末期医療を考える会」を通して,高齢者の終末期の医療とケアに取り組んでいるが,経口摂取が困難になった時,経鼻栄養や胃瘻造設を選択するかどうかは難しい問題である.
本院では2000年と2009年の2回,気管切開と経管栄養に関する調査を行った.その結果,経管栄養を受けている患者の大多数は寝たきりあるいはそれに準ずる状態であり,過半数はかろうじて反応するレベル以下であった.このことから,経管栄養を受けている患者のADLやQOLは低いことが判明した.医師は経管栄養を開始する際に短期的なメリットだけを説明するのではなく,長期的予後も伝える必要がある.
最近,経管栄養,特に胃瘻の患者が増加しており,その多くが急性期病院からの転院である.このような傾向は,急性期病院の平均在院日数短縮など,国の医療政策とも関連していると推察される.
我々は,高齢者の終末期医療において長期の寝たきりになる可能性があっても,経管栄養を選択するのか,あるいは,誤嚥·窒息の危険性があり衰弱を見守ってゆくことになっても,高齢者の尊厳とQOLを大切にして最後まで経口摂取を続けていくのが良いか,というジレンマに日々直面している.
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© 2009 一般社団法人 日本老年医学会
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