日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
原著
地域在住高齢者の運動機能低下に関連する身体の痛み
安齋 紗保理柴 喜崇芳賀 博
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2012 年 49 巻 2 号 p. 234-240

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抄録
目的:地域在住高齢者の痛みの有無という視点のみでなく,痛みの重複部位の数や程度,継続期間に着目し分析を行い,地域在住高齢者の運動機能低下と痛みの状況との関連を明らかにする.方法:対象者は地域在住高齢者351名で,痛みに関する問診および運動機能低下を把握するために基本チェックリストを用いた調査を実施した.運動機能低下を従属変数,痛みの状況を独立変数とし,それぞれロジスティック回帰分析を行った.結果:男性よりも女性で痛みのある者が多かったが,痛みの程度や重複部位数,継続期間などに差はなかった.ロジスティック回帰分析では,運動機能の低下と痛みがあること(オッズ比:1.74,95%信頼区間:1.06~2.87),上下部体幹に重複した痛みがあること(オッズ比:5.15,95%信頼区間:1.91~13.94),痛みの重複部位が3カ所以上あること(オッズ比:11.56,95%信頼区間:2.78~48.07),痛みの程度が強いこと(オッズ比:4.67,95%信頼区間:2.16~10.11),痛みが5年以上継続していること(オッズ比:3.35,95%信頼区間:1.80~6.22)で有意な関連がみられた.結論:痛みの有無や部位だけでなく,重複部位数や程度,継続期間といった細かな痛みの状況も,運動機能の低下に影響を与えていることが示された.
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© 2012 一般社団法人 日本老年医学会
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