日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
公開シンポジウム:超高齢社会における街(都市)づくり
3.人口減少・超高齢社会におけるコンパクトな都市づくり
竹村 登
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 49 巻 6 号 p. 701-704

詳細
抄録

我が国は,人口減少・超高齢社会を確実に迎えつつあり,拡大基調が続いてきた都市を如何に「畳んで」いくかが問われている.
これまでの広く薄く拡大してきた市街化により,大都市においては居住地の郊外化による遠距離通勤,地方都市ではモータリゼーションの進展と相まって,大規模商業施設等の郊外化,中心市街地の衰退等を引き起こした.中心市街地では,商業施設のみならず,病院等も郊外移転した例も多い.
超高齢社会において,住宅,商業,健康,医療,福祉等の諸機能が集積し,車に過度に依存しない歩いて暮らせるコンパクトな都市づくりが重要である.
復興まちづくりが進められている東日本大震災の被災地では,これまでも人口減少,高齢化が進んでいる地域であり,被災地の新たなまちづくりにおいても,高齢者にも暮らしやすい,健康・医療と連携した持続的なまちづくりを考慮することが重要である.

著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本老年医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top