日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
高齢者脳卒中の現状
2.高齢者の脳出血の現状
古和 久典中島 健二
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2017 年 54 巻 4 号 p. 514-518

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抄録

脳出血によって,寝たきりや重度後遺症をきたす患者は,加齢に伴って増えていく.降圧療法の普及に伴い,脳出血危険因子としての高血圧の影響は低下しているものの,高血圧はいまだもっとも影響の強い危険因子である.

新たなMRI撮像法を用いることによって,高齢者に多く,脳葉型出血を呈し,高血圧の関与が少なく,再発を繰り返す脳アミロイドアンギオパチーに関連した脳出血の臨床診断や,微小脳出血の検出が可能となり,抗血栓療法を開始する際には,その適応の検討や血圧管理に留意することが必要である.

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© 2017 一般社団法人 日本老年医学会
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