日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
ラット骨中γ-carboxyglutamic acid (Gla) の加齢および性差の影響
中井 瑠美子折茂 肇原澤 道美
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1984 年 21 巻 6 号 p. 558-564

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抄録

Spraque-Dawleg 系ラット雌雄おのおの5匹の長管骨 (大腿骨・脛骨・上腕骨) および頭蓋骨中のγ-carboxyglutamic acid (Gla) を測定し, 加齢および性差の影響を検討し, 以下の成績を得た.
1) γ-carboxyglutamic acid (Gla) 含量は, 大腿骨・脛骨・上腕骨等の長管骨ではいずれも骨幹部において骨端部に比し有意の高値を示した.
2) 大腿骨中 Gla 含量は1.5月齢, 3月齢, 6月齢とラットの加齢にともない有意の上昇を示した.
3) 骨中 Gla 含量は3月齢, 6月齢において雄では雌に比して高値を示した.
4) 骨中 Gla 含量とCa量との間には雄, 雌ともに有意の正相関が, Gla とP量との間にも雄, 雌ともに有意の正相関が認められた. 以上, 骨中 Gla 含量は, 加齢および性により変動を示し, また骨中CaおよびP量との間に有意の正相関が認められる事から, Gla の骨代謝における骨形成面への関与が示唆された.

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