日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
地域在宅老人の血清アルブミンの加齢変化と生命予後との関係
永井 晴美七田 恵子芳賀 博須山 靖男松崎 俊久柴田 博古谷野 亘籏野 脩一
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1984 年 21 巻 6 号 p. 588-592

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抄録
血清アルブミンの老化指標としての意義を明らかにする目的で, 地域居住の70歳健康老人を対象とし, 75歳時点の追跡調査から血清アルブミンの加齢変化を観察し, また血清アルブミンが生命予後にどのように関連するかを検討した. 70歳検診受診者は422名であったが, その中70歳, 75歳とも検診し得た者242名を追跡群とし, 75歳時点で生存していたが, 75歳検診には参加しなかった者133名を未受診群とし, 75歳時にはすでに死亡していた者47名を死亡群として以下の成績を得た.
1) 追跡群と未受診群の間には, 70歳時血清アルブミンの平均値に差はみられなかった. 死亡群と生存群 (追跡群と未受診群の合計) を比較すると, 男女とも死亡群で低く, その差は男0.25g/dl (p<0.01),女0.12g/dl (N.S) であった. 血清アルブミン分布を四分位数で分け, 各分位からの相対死亡比率をみると, 第1四分位範囲 (男4.1g/dl, 女4.2g/dl未満) で201%と高く, 血清アルブミンが高くなるにしたがい, 相対死亡比率は減少し第3, 4四分位範囲では40, 50%であった.
2) 70歳から75歳にかけて血清アルブミン平均値は, 男4.41g/dlから4.14g/dl, 女4.47g/dlから4.22g/dlへと低下した (p<0.001). 70歳と75歳間は有意な正相関をみとめた (男r=0.44, 女r=0.48, p<0.0001).
以上の結果より, 血清アルブミンは, 老化指標として有用であることが示された.
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