日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
CTスキャンによる小脳・脳幹の加齢性萎縮に関する検討
木谷 光博小林 祥泰山口 修平岡田 和悟村田 昭博恒松 徳五郎
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1985 年 22 巻 1 号 p. 47-52

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抄録

器質的脳疾患の既往を有さず, かつ糖尿病・高血圧症・内分泌疾患などの全身疾患を有さないCT上正常と思われる14歳から90歳までの67例を対象とし, 天幕上及び天幕下における加齢に伴う萎縮について, 従来最も普及している一次元法 (Cranio-Ventricular Index 以下CVI) と, 我々がすでに報告した二次元法 (Ventricular-Area Index 以下VAI, Brain-Atrophy Index 以下BAI) を用いて検討を行った.
大脳に関しては, CVI, VAI, BAIのいずれも年齢と有意の相関を示した. また, CVIに比較しVAI, BAIは年齢とより強く相関していた. 小脳・脳幹においては, すべての index は年齢と有意の相関を示さなかった. しかし, 大脳-小脳・脳幹間の index 相互の検討では, BAI間に有意の相関を認めた. すなわち, 小脳・脳幹は大脳と共に加齢に伴いある程度の萎縮を示すが, その変化は大脳に比較し明らかに軽度なものと考えられる.

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