日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
ヒト肝組織中の核酸濃度と年令的変化について
林 四郎玉熊 正悦山田 義晴小泉 澄彦
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1966 年 3 巻 4 号 p. 283-288

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抄録

手術の後では直接損傷を受けた組織を修復する必要があるばかりでなく, 栄養摂取不足などのために動員, 消費された貯蔵たんぱくを補うためにも, 活溌なたんぱく生合成の発動を必要とする. このたんぱく生合成の鍵をにぎる核酸代謝が年齢増加によってどのように変化しているか, DDY系雄マウスについて検討してきた. しかしわれわれ臨床家にとっては, ヒトの肝核酸濃度が老若のあいだでどのように変っているのか, 知ることも絶対必要であるので, 明らかな肝障害が認められない, 24才から76才にいたる上腹部疾患14例について, 開腹直後に肝生検を行ない, 核酸, ribonuclease, phosphomonoesterase 濃度などを測定, 比較した.

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