抄録
症例は72歳の男性, 昭和60年より糖尿病にて加療中であった. 平成3年12月より食欲不振, 体重減少 (6kg/3カ月) 及び右大腿部の疼痛が出現, 平成4年1月17日外来受診時胸部異常影を指摘され2月3日入院. 精査の結果, 大腿骨原発の転移性肺腫瘍と診断し, 3月3日右大腿骨骨生検を行った. その結果, 酵素抗体法で Factor VIII陽性, Epithelial membrane antigen (EMA) 陰性より angiosarcoma の病理所見を得た. 本人の希望にて一旦退院するも平成5年4月19日再入院. 4月27日より recombinant Interleukin-2 (rIL-2) を80万単位/日投与し炎症所見の改善, 疼痛の寛解が得られたが腎機能が悪化したため5月11日中止 (総投与量1,200万単位), その後腎不全が進行し死亡した. rIL-2は耐糖能に影響を与えなかったが, 非ステロイド系抗炎症剤 (NSAID) との併用により腎機能の増悪因子となる可能性が示唆され, 高齢者においては注意する必要がある.