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日本老年医学会雑誌
Vol. 32 (1995) No. 6 P 416-423

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http://doi.org/10.3143/geriatrics.32.416


目的, 及び方法: 百寿人口が急速に増加しているが, ADLの低下の変貌を推計学的に実証するために, 1976年から1980年までに調査した43名, 1986年から1988年に至る99名, 1992年から1994年の109名の百寿者に対してADLを比較し, ADLの変遷を調査した.
調査方法は昭和50年の前田, 井上らの長寿者の総合的研究班による11項目のADL表を用いて, 調査班の直接観察によって5点評価を行った.
成績: 1970年代より1980年代にかけ, さらに1990年代へと百寿者のADLスコアの低下は著明であることが証明された. 施設百寿群では在宅百寿群よりADLが有意に低かった. 在宅百寿群では mental category でADLが低下したが, 逆に施設百寿群では physical category の低下が著明であった.
結論: 百寿者の人口が著増しているがADLの低下したままでも高度の医療や個人の生活レベルの上昇や社会経済の発展によってさらに長命となり, さらに充分なケアを求めて施設収容率が著増した. それが百寿者の平均ADLの低下に反映した. ADLが低下しても, ケアが充分に行き届けば, 百寿の域に達することがわかり, その結果, 同じ百寿現象をみるとしても, 現在の百寿の質は以前の百寿と大幅に異なっているものをみていることになり, 誤った結論を導く可能性を生ずる.

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