気管支喘息の新しい早期診断法を確立するために, 気管支喘息の患者 (未治療群30名, 吸入ステロイド治療群30名) および健常人 (非喫煙群30名, 喫煙群20名) を対象として, single-deep-breath 法によって, 呼気中の一酸化炭素 (CO) 濃度を測定した. その結果, 未治療の気管支喘息患者では, 5.6 (平均) ±0.6 (標準誤差) ppmと健常人の1.5±0.1ppmに比して有意な上昇を認めた (p<0.001, n=30). また, 気管支喘息患者の呼気中CO濃度は吸入ステロイド剤のベクロメサゾン (800μg/day) の4週間の治療により正常化することが確認され, 疾患の活動性の指標となり得ることが明らかにされた. また, 呼気中のCO濃度は, 喘息患者の喀痰中の好酸球数と正の相関を示すこと, さらに一秒率と逆相関することが明らかにされた. 本法は, 高齢者や比較的重症患者においても, ベットサイドで非侵襲的に施行でき, 今後日常の診療に十分に活用されるものと考えられる.