日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
γアミノ酪酸富化胚芽米長期摂取による生活習慣病関連指標への効果
森田 浩之宇野 嘉弘梅本 敬夫杉山 千世松本 雅美和田 祐爾石塚 達夫
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2004 年 41 巻 2 号 p. 211-216

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抄録

平均年齢71±8歳の高齢者67名を対象に, 11~13カ月間のγアミノ酪酸 (GABA) 富化胚芽米摂取が主として生活習慣病関連指標に与える影響について検討した. 主食としてGABA富化胚芽米を白米と1対1の割合で炊飯し摂取する摂取群と, 通常の白米を摂取する非摂取群の2群に分け, それぞれの評価項目の摂取前後での差を2群間で比較した. 摂取群では, 非摂取群に比較し, 体脂肪率・HbA1c・MCVの増加と, MCHCの減少が有意であったが, BMI, 血圧, 血清脂質, 肝腎機能, 骨代謝マーカー, 骨密度, うつ状態, RBC, Hb, Htやインスリン抵抗性の指標であるHOMA-Rの変動には2群間で差がみられなかった. これらの結果から, GABA富化胚芽米は, 糖代謝には必ずしも良い影響を与えないことが示唆された.

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© 社団法人 日本老年医学会
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