遺伝学雑誌
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禾穀類の核形態学
第1報 核形態学研究の基本問題としての同一品種における核型の一定性について
生沼 巴
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1952 年 27 巻 1-2 号 p. 56-64

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抄録

1) 野生大麦 Hordeum agriocrithon, 栽培大麦の細稈二号, 六角一号およびハルビン二条の各品種を材料として, 核形態の一定性につき論じた.
2) これらの大麦は, いずれも 2n=14 の染色体数をもち, その7対の染色体はおのおの形態や長さによつて完全に区別できる.
3) 同一品種内にあつては, 個体を同じくしてもこれを別にしても, 染色体の形態に変化がない.
4) 前処理法, 固定法及び染色法を変えても, 同一品種内にあつては染色体の形態に本質的な変化はおこらない.
5) 前処理によつて染色体が短縮する場合は, 各染色体で略同率に短縮し, 染色体の各部も均一に短縮する. その結果として染色体の長さの割合や順位は変化しない.

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