遺伝学雑誌
Online ISSN : 1880-5787
Print ISSN : 0021-504X
ISSN-L : 0021-504X
コルヒチンによつて育成したシロバナムシヨケギク(Chrysanthemum cinerariaefolium Bocc.) の倍数体について
川谷 豊彦大野 忠郎木下 孝三
著者情報
ジャーナル フリー

1956 年 31 巻 2 号 p. 49-53

詳細
抄録
1) 1947年コルヒチン処理によりシロバナムシヨケギクの四倍体を創成した.
2) 四倍体シロバナムシヨケギクは二倍体に比し気孔は大きく, 1視野内の気孔数は少く, 花は大きく, 舌状花数は多く, 有意差が認められた.
3) 四倍体シロバナムシヨケギクは二倍体に比し乾花のピレスリン含量 (全量) が高く, 有意差が認められた. これは人為的染色体倍加によつて薬用植物の有効成分を増加せしめ, 優良品種を育成し得ることの可能性を示すものであつて, 注目すべき事実である.
4) ピレスリンI, およびピレスリンIIの含有量については四倍体と二倍体との間に有意差は認められなかつた.
5) シロバナムシヨケギク乾花のピレスリン含量 (全量) は貯蔵によつて減少することが推計学的にたしかめられた.
著者関連情報
© 日本遺伝学会
前の記事 次の記事
feedback
Top