PLANT MORPHOLOGY
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特集 形態学と生理学の融合に向けて ―植物の「形」と「現象」の狭間を埋める研究の最前線―
超耐光性蛍光色素が拓く蛍光バイオイメージング
佐藤 良勝Chenguang Wang深澤 愛子多喜 正泰東山 哲也山口 茂弘
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2016 年 28 巻 1 号 p. 9-13

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抄録

超解像顕微鏡技術の目覚ましい発展により,従来の光学顕微鏡の空間分解能を超えた蛍光観察が可能になった.その活用面において,被写体を輝かせる側の蛍光試薬に求められる性質もそれぞれの超解像技術に合わせて多様になり特殊化している.しかし,限られた空間内の蛍光体から十分な蛍光輝度を取得する点は超解像イメージングに共通し,蛍光色素には比較的強い励起光に耐えられる耐光性が求められている.特にSTED顕微鏡法では強力な誘導放出光を用いるため,蛍光色素の耐光性は極めて重要であり適合試薬の不足が課題となっている.本稿ではITbM研究グループの斬新な分子設計により開発された超耐光性蛍光色素のSTED顕微鏡法への適合性と今後の展望について述べる.

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© 2016 日本植物形態学会
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