抄録
【目的】研究者らが開発した高齢者向け住まいに居住する高齢者のアドバンスケアプランニングを支援する「本人の意思を尊重する人生の最終段階に向けたエンドオブライフケアパス(以下、EOLCパス)」の有用性を明らかにする。
【方法】EOLCパスの開発は入居者本人の意思が反映され、一般市民でも理解しやすい内容になるよう留意し行った。群馬県中核市にあるサービス付き高齢者向け住宅132施設にEOLCパス項目の実施と必要性の有無を自記式質問紙にて郵送調査を行った。
【結果】35施設から返信があり、同意が確認された23施設を分析対象とした。対象施設の背景は、看取り経験ありは18施設、看取りマニュアル作成は8施設、常勤看護師不在は10施設であった。パス項目で、実施・必要性が共に90%以上の項目は、「性別・家族の確認」、「もしもの時に意思決定を任せたい人の確認」であった。すべてのパス項目に対して、6割以上の回答者が必要性があると評価、パスは役立つと20施設が回答した。
【考察】EOLCパスは一定の有用性が確認され、今後は実際に高齢者向け住まいで使用、評価を行う必要性があると考える。