群馬保健学研究
Online ISSN : 1343-4179
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  • 2024 年44 巻 p. 0-
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/08
    ジャーナル オープンアクセス
  • 柏瀬 淳, 高柳 亮, 龍﨑 直子, 下田 隆也, 寺嶌 祐子, 下田 晶子, 小川 葉子, 須田 旬子, 牛久保 美津子
    2024 年44 巻 p. 1-10
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/08
    ジャーナル オープンアクセス
    M市のアドバンス・ケア・プランニング(以下ACPと称す)の地域普及活動としてACP促進ツール「私の人生ノート」を作成し5年が経過した。ACPとは、厚生労働省が今後の治療・療養について患者・家族と医療従事者があらかじめ話し合う自発的なプロセスと定義し、より馴染みやすい言葉となるよう「人生会議」という愛称で普及活動を推進している。介護保険利用者には様々な職種が連携し支援を提供するが、介護支援専門員(以下ケアマネと称す)は、その中心的存在であり、良きACP支援者になれる可能性が高いとされている。本研究では、「私の人生ノート」発行から5年後のケアマネにおけるACPの認知度と実践状況を明らかにし、ACPの普及に向けた課題を見出すことを目的とした。無記名式オンライン質問調査にて、記述統計と質的帰納的分析を行った。結果、162名から回答を得た(回収率35%)。ACP(人生会議)の認知度は58.6%、私の人生ノートの認知度は75.3%と高かった。ケアマネによるACPの実践力を高めるための課題として【ACP普及に向けたケアマネの知識・技術向上】【利用者・家族との信頼関係の構築】【利用者・家族の思いを尊重したACP取り組みのための職場環境整備と多職種連携】【利用者・家族への早期からのACP開始のための支援】【ケアマネからの利用者家族へ向けた積極的なACP取り組みに対する体制づくり】の5つのカテゴリが生成された。ACP周知活動の検討、ケアマネがACPに取り組みやすくなるための資料や実践マニュアルの作成やそれを利用しやすい環境づくりが必要である。
  • 沼田  茜, 岡  美智代, 能美  亜紀子
    2024 年44 巻 p. 11-20
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/08
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:看護学文献における患者の自己開示の概念分析を行い,属性,先行要件,帰結,自己開示の定義を明らかにすることである。方法:医学中央雑誌などを使って,「自己開示」「患者」「看護」をキーワードとして検索し,最終的に22件が抽出されRodgersの方法で分析した。結果:属性では【病いに対する思い】,【病いを抱えながら生活する思い】などの4つ,先行要件では【開示するための支援があること】,【開示する動機がある】など5つ,帰結では【支援の獲得】,【自己理解と行動変容につながる】などの5つが抽出された。考察:本研究において特記することとして,自己開示の帰結として,周囲からのサポートが得られることが明らかになったことが挙げられる。心理学における自己開示の研究では,開示者本人への影響だけが明らかになっていた。しかし,本研究で周囲との関係性が帰結として得られたことは,心理学とは異なる,看護学の特徴が明らかになったと言えよう。看護学文献における患者の自己開示とは,「病いを有する人が,自己開示をする動機やスキルなどの自身の要因や他者からの支援があることで,病いを抱えながら生活をする思いを伝えたり,周囲への支援要請を行ったりすることが可能になり,その結果,自己理解と行動変容という個人的な要因や,支援が得られたり看護の質の向上につながったりすること」と定義した。
  • 牛久保 美津子, 龍﨑 直子, 高柳 亮, 下田 隆也, 寺嶌 祐子, 下田 晶子, 小川 葉子, 須田 旬子
    2024 年44 巻 p. 21-28
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/08
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】高齢者が住み慣れた地域で最期まで暮らせるための検討を行うために、ケアマネジャーから地域在住の介護保険利用者の病院死の状況、救急車で複数回の入院をした利用者の状況や退院後の対応を明らかにすること【方法】2022年度にB市のケアマネジャーを対象にした無記名式オンライン調査を実施し164名より回答を得た。うち利用者の中に死亡者がいたと回答した133名を分析対象とした。【結果】回答者のケアマネジャー経験は10年以上が約8割であった。「病院死がいた」との回答は約8割で、うち「在宅看取り希望であったが病院死の利用者がいた」は23名であった。複数回の救急搬送による入院をした利用者が「いた」との回答は約4割で、うち「訪問診療利用なし」は5割、「訪問看護の利用なし」は約3割であった。救急搬送の理由は心不全悪化、誤嚥性肺炎、転倒による骨折、不安などがあげられた。救急搬送に関する意思確認やACPは行われていた。【結論】病院死が多かった。希望に反し病院死となった利用者を減らせるように、病状悪化等の対応について医療と介護の連携強化、および緊急事態における独居者や家族の不安による救急搬送数を減らす取り組みが求められる。
  • 大谷 忠広, 佐藤 綾子, 中村 真美, 此川 衣子, 鈴木 和浩, 大嶋 清宏, 石井 秀樹, 牛久保 美津子
    2024 年44 巻 p. 29-36
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、入所施設から大学病院へ救急搬送され入院した高齢者のACPの実施状況について明らかにすることを目的とした。調査対象は65歳以上の非がん疾患の内科的症状の高齢者29名で、診療記録閲覧調査を行った。収集したデータは記述統計を用いて分析を行った。調査項目は、対象高齢者の基礎情報、入院前と入院中に関するACPの実施状況とした。結果、平均年齢は85歳で、男性15名、女性は14名、認知症あり12名であった。搬送理由は、意識障害9名、呼吸状態の悪化8名、救急要請は施設職員が行っていた。入院前にACPを実施した8名中、延命治療を希望しない意思の表明が5名からあった。医療者とACPを実施したでは、入院中に話し合いをしたが4名、退院後にACPを勧められたが2名であった。施設入所中の高齢者は、急変時の症状が多岐に渡り、医療資格を持たない施設職員が救急要請をしていた。そのため、高齢者がACPに沿った医療を受けるには、意思表示が可能なうちに、家族や施設と希望する医療について具体的に検討しておく必要性が示唆された。
  • 能美 亜紀子, 岡 美智代, 沼田 茜
    2024 年44 巻 p. 37-46
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/08
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】糖尿病を有する高齢者がセルフケアを実践するための看護支援を先行研究から明らかにする。 【方法】医中誌Webから「高齢者」and「糖尿病」and「セルフケア(自己管理or 慢性疾患セルフマネジメント)」and「支援」and「看護師」をキーワードとして原著論文を検索し、研究目的と合致した18件を研究対象とした。これらの論文を研究目的に沿ってナラティブレビューを行った。 【結果】対象論文は18件であった。看護支援は、【高齢者に関心を寄せて生活を傾聴することで療養行動を支える関係の基盤を作る】【“持てる力”を多角的にアセスメントし、機能低下を予測しながら支援を考える】【高齢者の自尊心と長年の経験から培った生活を尊重し、無理のない目標を一緒に立て自己決定を支援する】【在宅で継続できる管理方法を検討し、高齢者の言葉や能力に合わせたツールで教育する】【出来ていることを承認し、自己効力感に働きかけ、意欲を維持する】【家族もケアの対象者として捉え、多職種チームで関わることでサポート体制を調整する】という6項目のカテゴリーが生成された。 【結論】糖尿病を有する高齢者がセルフケアを実践するための看護支援は、生活の傾聴、高齢者の“持てる力”を多角的にアセスメント、高齢者の自尊心を尊重し、生活に合わせたセルフケアを自己決定するように支援する。そして、在宅で継続できる管理方法を高齢者の能力に合わせたツールで教育を行い、自己効力感に働きかけ意欲を維持する。そして、家族もケアの対象者として捉え、多職種チームでのサポート体制を整えていく。以上が糖尿病を有する高齢者がセルフケアを実践するための看護支援であることが示唆された。今後の課題として、糖尿病を有する高齢者がセルフケアを実践するためには、対象者への指導だけでは十分ではないため、生活史を傾聴した上で、高齢者の生活に合わせた支援が必要であることを明文化し、看護師への教育に活用できるようにしていきたい。
  • 安岡 紗希, 近藤 浩子
    2024 年44 巻 p. 47-56
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/08
    ジャーナル オープンアクセス
    要旨: 【目的】本研究の目的は、看護系大学生の学修活動における相互支援に対するニーズを明らかにし、また『先輩が教える!実習相談会』を実施・評価することで相互支援の実現可能性を検討することである。 【方法】A大学の看護学専攻1~4学年に無記名ウェブ調査を行った。調査内容は、学修活動5項目(国家試験対策、就職活動、臨地実習、試験対策、履修登録)における困りごとの有無と、これらの項目に対する学生間の相互支援ニーズおよび学修活動アドバイザーになることに対する学生の意向であった。また、『先輩が教える!実習相談会』に参加した学生の評価ならびに感想を分析した。 【結果】115名の回答(有効回答率は36.0%)を分析した。学生間の相互支援ニーズは、国家試験対策と就職活動が89.6%と高かった反面、これらの項目で学修活動アドバイザーになることに対する学生の意向は、それぞれ48.7%、47.8%と低かった。 【考察】キャリア形成にかかわる学生間支援は、1学年から行うことが重要であることが示唆された。また先輩からの支援だけでなく、同級生間の相互支援を活用することの必要性が示された。
  • 松本 光寛, 岡 美智代
    2024 年44 巻 p. 57-61
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本事例は,医療者の対応に不満があり,セルフケア行動を生活習慣へ組み入れることが困難な患者に対し,慢性疾患看護専門看護師(以下:CNS)がProfessional Learning Climate(以下:PLC)を意識して自己効力感を高めるための支援を実施した結果,患者に行動変容が見られた一事例である。 慢性疾患をもつ患者は習慣化した生活習慣を変え,増悪予防や維持に向けて療養行動を生活に組み入れることが求められる。患者の自己効力感を高めることは積極的で効果的な行動が実施され,情緒的に安定した状態を保つことができる。また,自己効力感を高める源の一つに,言語的説得があり,PLCを用いた支援が有効であると考えB氏への支援を行った。 B氏(50歳代)は10年前より通院をしており,今回の入院は7回目である。B氏は1か月前にも心不全にて入院しており,入院までの自宅療養期間が短縮しつつあった。医師・看護師から相談を受けたCNSはPLCを意識し,B氏を信じ,尊重し信頼関係の構築に努めた。CNSはB氏の語り一つ一つを丁寧に吟味し,B氏の自己効力感が高まるようB氏の強みを称賛しつつ困難事への支援を進めていった。具体的には,CNSが,B氏の楽しみを尊重した目標をB氏と共に立案し,実現可能な方法を提案するなどの支援である。その結果,B氏は成功体験を重ね,自己効力感が高まり行動変容につながった。
  • 崎山 恵里那, 田島 玲子, 内田 陽子, 梨木 恵実子
    2024 年44 巻 p. 62-67
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/08
    ジャーナル オープンアクセス
    Aサービス付き高齢者住宅で暮らす90歳代のB氏は誤嚥性肺炎を繰り返していた。B氏の願いは、最期はこの住宅で迎えたい、最期までトイレで排泄したい、好きなものを口から食べていたいであった。その願いを実現するために、往診や訪問看護等を利用、その都度トイレ介助、食事内容の工夫などのケアを提供し、最期にエンゼルケアを行った。結果、B氏はAで最期を迎え、本人の願いに即したケアにより、遺族も満足した様子が伺えた。
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