抄録
本研究の目的は、看護師による思春期がん患者への治療や療養生活の意思決定支援について文献検討により明らかにし、看護への示唆を得ることである。医学中央雑誌を用いて、“思春期”“小児”“がん”に“意思決定”または“インフォームドコンセント”、“インフォームドアセント”さらに“看護”を掛け合わせて検索し、研究目的に合った6件を対象とした。対象の6文献をレビューシートに整理・分類をした。結果、思春期がん患者に対する意思決定支援として、子どもの理解度や心理状況に合わせた説明をする、子どもの希望や意思を尊重する、子どもが孤独を感じず、いつでも相談できる環境をつくることを行っていた。看護師は子どもの理解度や心理状況に合わせ、個々の子どもに合わせた方法で、病気や治療、今後自分の身体に起こりえることを説明していた。また、思春期の子どもはまだ親の擁護下にあるため親の意見が反映されやすいが、子どもの希望や意思、意思表示の仕方について把握するようにしていた。さらに、提供された情報の中から選択する際に一緒に考えたり、周囲の大人と気持ちを共有できるような機会をつくっており、看護師だけでなく臨床心理士など多職種で子どもをサポートする環境をつくっていた。