2014 年 76 巻 3 号 p. 81-101
近時のジェンダー法学では,年少者の逸失利益に関する男女間格差について,憲法14条1項後段事由による性差別として,考慮されるべき問題であると考えられている。
とりわけ,平成13年の自賠法改正(平成14年4月施行)により法定されたと考えられる自賠責支払基準において,男女別「全年齢平均給与額」が算定のベースとされていることから,この支払基準の男女の差別的取扱いについて違憲性の疑いが生じていることになるように思われる。本稿では,女子年少者の逸失利益の算定に関する男女間格差の問題について検討し,その上で,自賠責支払基準における問題について考察を行う。