損害保険研究
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<研究ノート>
英国におけるコーポレート・ガバナンス・コードの敷衍
―金融相互組織協会のコーポレート・ガバナンス・コードを概観する―
宮正 一洋
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2018 年 80 巻 3 号 p. 145-175

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抄録

英国会社法に由来する英国コーポレート・ガバナンス・コード(以下,英国CGコード)は,1992年に初版が策定されて以来,現行の2016年改訂版の下で25年が経過した。特に,その「コンプライ・オア・エクスプレイン」アプローチは英国CGコードのトレードマークで,その「柔軟性」ゆえに大方の支持を得て国際的な広がり見せている。

わが国も,英国の例を参考に,2015年施行の改正会社法により同年6月から上場会社に対し(日本版)コーポレート・ガバナンス・コードの適用が開始された。

企業統治規範である英国CGコードの遵守義務は上場会社のみが対象だが,保険相互会社や協同組合銀行の経営破綻を契機に,株式会社形態“以外”の組織においても英国CGコードが注釈付で採用されるに至っている。本稿では,わが国の「共済」に類似する友愛組合等の業界団体である「金融相互組織協会(AFM)」の企業統治規範を概観し,わが国におけるCGコードの将来展開を探る。

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