抄録
車椅子ユーザーの外出頻度は,健常者に比べて少ない.適切な外出ルートの安全性についての情報量が少ないことが要因の一つだと考えられる.一方で,地図アプリの発達により,アプリユーザーからの投稿情報で細かなところまで移動ルートの情報を得ることができるようになってきている.地図アプリへ質の良いバリアフリー情報を増やすために,アンケート調査手法を用いて健常者の地図アプリの認知度,投稿の難易度が高いもの,低いものは何か調査を行った.その結果,既存の投稿型プラットフォーム地図アプリを活用し,移動の障壁を抱えるクルマ椅子ユーザーの安心・安全・容易な移動につながるバリアフリー情報を健常者からの投稿により充実させるための要件は,投稿までの手間を少なくすることであることがわかった.また,撮影環境が投稿のしやすさに影響することが示唆された.