抄録
対話において“想像を超える気づき”が発生するという現象について分析し,その構造について対話データを質的に分析する事により検証した.具体的には被験者に対してインタビューを実施し,その結果についてアンケートを実施する事で質的データと量的データを照合することによって検証を試みた.検証の結果,想像を超える気づきにはテーマの明瞭性の獲得や,腑に落ちる感覚の獲得が重要であることが確認された.またそのような気づきが生じる対話の構造は3つのステップ(①ベースの確立,②視点の提供,③振り返り・再構成)で構成されていることが明らかとなった.そしてその構造の発生の様式は,1対1の対話,複数人の対話の場合で異なる可能性があることも示唆された.