痛風と核酸代謝
Online ISSN : 2186-6368
Print ISSN : 1344-9796
ISSN-L : 1344-9796
原著 1
ウリカーゼ融合タンパク質を用いた細胞内尿酸検出法の開発
中村 真希子細山田 真市田 公美
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 37 巻 2 号 p. 93-101

詳細
抄録
近年同定された腎臓に存在する尿酸トランスポーターは,尿酸の分泌・再吸収に関係することから,血清尿酸値を規定する存在として注目されている.既存のトランスポーター評価法には[14C]標識尿酸を用いた方法があるが,細胞を破砕した試料を使用するため,経時的な尿酸輸送評価などは不可能である.そこで本研究では,生細胞において経時的に細胞内尿酸を検出可能なプローブを開発することを目的として,uricase-HyPer融合タンパク質を構築した.ここでは,尿酸が尿酸代謝酵素uricaseにより酸化される際の副生成物である過酸化水素に着目した.過酸化水素と反応し蛍光を変化させるタンパク質HyPerとuricaseを融合させることにより,uricaseによる尿酸の酸化時にHyPerが発する蛍光によって尿酸を検出することが可能なツールを構築した.結果,URAT1を恒常的に発現するCOS7細胞にuricase-HyPer融合タンパク質を強制発現させると,10-200μM尿酸添加に伴い有意に蛍光強度比が上昇することが示された.さらに尿酸と共にトランスポーター阻害薬ベンズブロマロンを0.1-10μMとなるよう添加すると,その蛍光強度比は有意に低下した.これらのことから,uricase-HyPer融合タンパク質によって尿酸トランスポーターを介した尿酸取り込みの蛍光検出が可能であることが示された.本手法は経時的な尿酸量の変化を検出でき,かつ簡便に多検体処理が可能であることから,トランスポーター阻害薬の新規スクリーニングなどに有用であると考えられる.
著者関連情報
© 2013 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
前の記事 次の記事
feedback
Top