2020 年 23 巻 2 号 p. 87-92
目的:ケースマップ(以下,CM)を用いて臨地実習の学習課題の構造分析を行った。 方法:看護学部における成人看護急性期実習における17個の学習課題を分析の対象とした。 各学習課題からブルームのタクソノミーの評価基準となる動詞(以下,基準動詞)とキーワードを抽出し,学習課題の大項目を縦軸,動詞を分類した学習フローを横軸としてCMフレームを作成し,その中にキーワードをエレメントとして配置してCMを試作した。また学習フローの構造について検討した。結果:(1)13の基準動詞を,①理解・説明,②情報整理,③立案,④実践,⑤評価,⑥改善の6種類に分類し,縦軸と合わせてCMを作成することが可能であった。(2)上記分類③〜⑥がPDCAサイクルを形成していることを明確に表示することができた。学習課題の各項目はCM化により時系列に俯瞰することが可能であった。結論:(1)看護学生の臨地実習における学習課題を1つのCMに表記することが可能であった。 (2)CM法は学習課題の構造分析に有用となる可能性がある。(3)CM表記の学習課題は,俯瞰性と構造的性質から学生と教員の双方に有用な学習資料となる可能性がある。