尿酸
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痛風患者の末梢血多形核白血球由来活性酸素による細胞傷害反応の検討
松本 美富士山本 正彦菅原 譲三井 忠夫丹羽 滋郎
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1986 年 10 巻 1 号 p. 10-15

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抄録
痛風患者末梢血多形核白血球(polymorphonuclear leukocytes: PMNs)を用いて,オプソニン化zymosanによる51Cr標識線維芽細胞(3T3培養細胞)に対する細胞傷害反応を検討して以下の結果を得た.Effector細胞と標的細胞の混合比は40:1,培養時間は4時間が最適条件であった.この条件下で痛風患者は健康人に比して有意に高い細胞傷害反応を示した.また痛風患者の中では急性痛風発作時に,より著明な細胞傷害反応を示した.PMNsによる細胞傷害反応は濃度依存性にsuperoxide dismutase(SOD)によって抑制されることより,活性酸素による反応であることが推測された.また発作時コルヒチン服用者はその細胞傷害反応が著明に抑制された.以上のごとく,痛風患者,特に急性発作時はオプソニン化zymosan刺激PMNsの細胞傷害反応の亢進を認め,痛風の各種合併症を考える上で重要であると思われる.
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© 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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