プリン・ピリミジン代謝
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尿酸膀胱結石を合併した腎性低尿酸血症の1例
尿中尿酸結晶および尿酸結石の溶解度による尿アルカリ化療法の検討
飯尾 昭三西尾 俊治岩田 英信竹内 正文
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1991 年 15 巻 2 号 p. 71-76

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抄録
前立腺肥大症と膀胱結石(尿酸2水化物結石)を合併した64歳の腎性低尿酸血症の1例を報告し,結石再発予防に必要な尿アルカリ化療法にっいて検討した.
4例の患者から得た無水尿酸結石の溶解度を測定し,尿中尿酸結晶(尿酸2水化物)および市販の無水尿酸結晶の溶解度と比較した.無水尿酸結石の溶解度は無水尿酸結晶よりやや高く,尿中尿酸結晶の溶解度は無水尿酸結晶の2.1~2.9倍高い値を示した.尿中ではまず最初に2水化物結晶が析出し,それが無水結晶に変化する可能性が示唆されており,尿酸結石の再発予防には尿中尿酸結晶(尿酸2水化物)の溶解度,結石溶解には無水尿酸結石の溶解度を目安にして尿のアルカリ化療法を行うことが適正であると考えられた.
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© 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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