日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
N-置換チオウレアのゴム加硫に対する作用
山本 隆造古川 淳二松浦 一雄山下 晋三
著者情報
ジャーナル フリー

1962 年 35 巻 5 号 p. 335-341

詳細
抄録

N-置換チオウレアが天然ゴムに対して加硫促進剤として効力を有していることを見出した. そしてチオウレア類のあるチッソ原子から電子が押し出されて八員環状硫黄のある位置のイオウ原子に電子が移動し, 同時に別のイオウ原子からチオウレアのイオウ原子に電子が移動しようとする作用が働く. この場合, 直ちに八員環状のイオウは切断されて, これが加硫反応に寄与する. この仮定のもとに簡単な量子化学的計算をおこない, ほぼ実験結果と一致した. この結果から, 大体チオウレア系加硫促進剤は, 本報に示したような機構で加硫が進むものと考えられる。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本ゴム協会
前の記事 次の記事
feedback
Top