硬さに関するJIS規格では「試験片は厚さ12mm以上のものを用いる. ただし12mm未満のものは積み重ねて12mm以上とする.」と定めている. われわれはJIS硬さは理論的根拠のうすい曖昧なもので, ゴムの品質管理上の目安として使うのには便利なものであるが, ゴムの特性値と考えるべきものではなく, むしろせん断彈性係数Gを用いるべきであることを提唱してきた. Gの測定でも上記のようなことが許されるかどうかについていろいろ調べてみた. その結果厚さ12mm以上ということは大体妥当なようであるけれども, 積み重ねることは全くあてにならないということをたしかめた. うすい試料を重ね合せた場合にはその合計の厚さをもつ一枚ものの試料によるGよりかなり小さい値が得られるようである. この研究の途上いろいろな興味ある結果を見出したのでこれを報告する次第である.