日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
トレッドポリマーとしてのEPDMについて
佐武 邦夫曾根 富穂浜田 稔
著者情報
ジャーナル フリー

1970 年 43 巻 2 号 p. 118-123

詳細
抄録

EPDMのトレッドポリマーとしての特性について主に耐摩耗性に重点をおいて検討した.
各種EPDMの実験室的検討および実走試験の結果から, EPDMの耐摩耗性はポリマームーニ粘度のほかにエチレン含量に大きく左右され, ポリマームーニ粘度およびエチレン含量が高いと耐摩耗性は向上するが逆に常温での可塑性が低下し, タイヤの成形時の加工性が悪くなることがわかった. したがって, ポリマーの選定にあたっては両者のつり合いを充分考える必要がある. 今回検討したEPDMの中では1,4-ヘキサジエンを第3成分としたものが最も耐摩耗性, 加工性などのバランスがとれているが, これが第3成分による差か, それとも分子量分布など他の要因に基づくものかはさらに検討する要がある. EPDMのウェットスキッド抵抗は実験室的検討の結果ではSBRよりも劣っているが, 氷上でのスキッド抵抗はややすぐれているようである. 耐屈曲き裂抵抗も第3成分の種類によりかなり異なり, 今回用いたEPDMの中では1,4-ヘキサジエンを第3成分とするものが比較的すぐれている.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本ゴム協会
前の記事 次の記事
feedback
Top