ベンツアゾール系誘導体の劣化防止効果を評価するため各種アミノベンゾチアゾール誘導体, アニリノベンツアゾール誘導体, 置換アニリノベンゾチアゾール誘導体等について, 酸化劣化防止能をNR配合物の酸素吸収量, および試験管式熱老化試験により, またオゾン劣化防止能を粘度低下防止率とSBR加硫物のオゾンき裂発生状況で側定した.
その結果
1. 酸化劣化に対するアゾール基の影響はオキサゾール, チアゾール, イミダゾール誘導体の順に効果の増大が認められたが, オゾン劣化の場合にはオキサゾール, チアゾールはほとんど効果を示さず, イミダゾール誘導体がわずかに効果を示したのみでO, S, N原子の酸化劣化, オゾン劣化に対する挙動が明らかになった.
2. アルキルアミノベンゾチアゾール誘導体は酸化劣化, オゾン劣化とも効果を示さなかった.
3. 置換アニリノベンゾチアゾール誘導体はオゾン劣化に関しては効果を示さなかったが酸化劣化についてはいずれも効果を示しその置換基効果はハメット則に準拠することが認められた.
4. N原子を含む核置換基を有するアニリノベンゾチアゾール誘導体はオゾン劣化防止効果を示し, 置換基中のN原子がオゾンとの反応に関与していることが明らかとなった.
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