抄録
アクリル酸n-ブチルをタクソーゲンとし, ビス (4-アミノフェニル)ジスルフィド (APDSと略記) をテローゲンとしたラジカルテロメリ化反応を行い, 両末端にアミノ基を有する液状アクリル酸n-ブチルオリゴマー (n-BuAcと略記) を合成した. 反応温度120°C, 圧力6.0kg/cm2及び反応時間を9時間で一定とし,[APDS]/[n-BuAc]モル比を変化させ, 分子量1,500~6,500の液状オリゴマーを得た. また, これらのアミン末端液状オリゴマーを, ワンショット重合法でポリウレタンエラストマーを合成する際に配合し, 得られた改質ポリウレタンの静的物性, 熱的特性及び耐加水分解性を検討した. 引張強さは, 低分子量オリゴマーを配合した場合に向上し, 耐加水分解性では, 高分子量オリゴマーを配合した場合に効果が顕著であった. 本報告では, ポリウレタンに対する液状アクリル酸n-ブチルオリゴマーの反応性充填剤あるいは架橋剤としての可能性を検討した.