日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
EPDMとSBRの加硫接着
奥本 忠興岩佐 忠信金原 敏勝横井 宏松本 恒隆山下 晋三
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1984 年 57 巻 1 号 p. 31-38

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抄録
あらかじめ加硫させたゴムを被着体とし, 未加硫ゴムの接着体を成形により加硫接着することを, EPDMとSBRの異種ゴムに対して検討した. すなわち, 加硫ゴムの被着体と未加硫ゴムの接着体とのプレス成形による加硫接着において, まず(1)加硫EPDMを被着体とし, 未加硫SBRを接着体としたとき, 両者に配合されるプロセスオイルの種類と配合量の接着強さに及ぼす影響について検討した. そして, プロセスオイルとしてはアロマティック系が大きな接着強さを示し, オイル量としては被着体のEPDMには多く配合し, 接着体のSBRには少なくするほうがよいという結果を得た.
次に, (2)加硫SBRを被着体とし, 未加硫EPDMを接着体としたとき, プロセスオイルの配合処方だけでは大きな接着強さが得られなかったので, 未加硫EPDM接着体の配合において共加硫剤の選択やRH(レゾルシノール-ヘキサメチレンテトラミン)法によく似た反応機構を有する接着付与剤の使用について検討し, 成形物の加硫接着性を調べた. 共加硫剤としてはCBSとEP-60がよい接着性を示し, かつ接着付与剤としてレゾルシノール誘導体とメラミン誘導体を用いることにより, 加硫接着した成形物がゴム破断に至るほどの優れた接着強さが得られた.
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© 一般社団法人 日本ゴム協会
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