抄録
水酸基あるいはアミノ基を有するカルボン酸アルミニウム塩を相当するカルボン酸ナトリウム塩と塩化アルミニウムの水溶液中における反応により合成した. これらをNBR, SBR, BR及びEPDMに配合し, 加硫物の諸物性を検討した. p-アミノ安息香酸アルミニウム塩を配合した加硫物の引張物性, 耐摩耗性及び耐屈曲疲労性は, いずれのゴムにおいても向上することを認めた. 特にカルボキシル化NBR加硫物の場合には, これらのアルミニウム塩の配合効果が他のゴムに比較して顕著にみられた. また, 加硫ゴムの応力-ひずみ曲線の解析及び網目密度の測定結果から, 用いたアルミニウム塩の作用機構について考察した.